~サムホールサイズのかわいい織額~
陶芸家であり日本画家の福井泰三氏に、愛らしい御所人形で「京の五節句」を図案制作して頂きました。
その図案を使って、伝統工芸つづれ織職人により織り上げた生地を「額縁ソムリエール」の岩滝恵美子氏の創作によって素敵な織額が出来上がりました。バレンタインデーやクリスマス、ハロウィンなどが年中行事に定着して久しくなりますが、日本には五節句という伝統的な文化がある。一年の計、元日。子供の成長を祝う上巳の節句・端午の節句。星に願いごと込める七夕の節句。無病息災を願う重陽の節句。など。伝統行事を大切に迎え、行なうことで改めて平安を実感できる機会として紹介していきたいと思います。五節句は日本の食文化でもあり、クリスマス・ハロウィンやバレンタインデーのように食べるものも楽しめる文化です。皆とふれあい息災を祈り、邪気払いしてまいりましょう。
御所人形
江戸時代、享保年間(1716~36)に京都で創始された美術的な人形。最初は粘土製、のちには木彫りでつくられた。軽い桐が多く用いられ、量産の場合には張り子や練り物の型抜きにした。これらに胡粉を塗って磨き出し、日本的な技巧と気品とを備えている。主として1、2歳から5、6歳くらいまでの幼児の裸の姿をしている。大きさは等身大から1センチメートルほどの小形まである。白磨きの肌に大きな頭、横太りの丸々した体をもった童姿で、子供のあどけなさがよく表現されている。これに腹掛けや、童直衣(わらわのうし)に烏帽子(えぼし)、頭巾(ずきん)をかぶったものもある。西国大名が参勤交代で上府の際、京都の禁裏や公家に挨拶の目録を贈る風習があり、その返礼に人形が使用されたのが御所人形の名のおこりという。京土産の代表的な人形で、現在は京都と東京で製作される。
五節句とは
元日(一月一日)もしくは人日(一月七日)・上巳(三月三日)・端午(五月五日)、七夕(七月七日)・重陽(九月九日)の五つの節日をいいます。上記の月日に注目してみると、五節句すべてに「奇数が重なる日」が選ばれていることがわかります。これは陰陽五行説において「奇数=陽(発展)・偶数=陰(不安定)」ととらえるなかで、奇数同士を足して偶数になる日は「陽から転じて陰になりやすい」とされていたことから邪気を祓うための行事を行ったことが主な理由です。五節句は季節の変わり目に無病息災・豊作・子孫繁栄などを願って、お供えものをしたり邪気払いを行ったりする行事のことをいいます。日本では奇数が重なった日はとにかく縁起の良い日とされました。四季の移り変わりを楽しめる日本。そんな四季を彩るのが「節句」です。京都の四季を彩る節句の意味や行事食についてご紹介してまいります。