西陣爪搔本つづれ織額『京の五節句』【重陽の節句】

~サムホールサイズのかわいい織額~

 重陽は菊に長寿を祈る節句です。陽が重なると書いて重陽。陽とは陽数、つまり奇数のことで、奇教が重なるので重陽。既教の中でも一番大きな「九」が重なる日のみを重陽と言い、不老長寿を祈願する節句です。古くから菊は邪気を払い長寿の効能がある植物と信じられていたことから、菊の香りを移した「菊酒」を飲んだり、菊の被綿(きせわた:綿を菊に被せて一晩置き、朝露を染み込ませたもの)で身体を清めたりといった風習がありました。

重陽の節句

また、栗の収穫時期と重なることから「栗の節句」とも言われ、栗ご飯を食べて祝っていたとも言われています。近年ではあまり馴染みがありませんが、かつては五節句を締めくくる重要な行事として盛んにお祝いされていたようです。重陽の日には、茱萸(しゅゆ)の枝を髪に差して高いところにのぼったり、茱萸袋と呼ばれるものを柱にかけて災いを避けました。茱萸の香りが邪気を祓うと考えられています。軍配は菊滋童伝説により長寿を意味します。

図案と配色

行事食

重陽の節句の行事食は、菊酒・栗ご飯・なす料理です。菊酒は、食用菊の花びらを冷酒に浮かべたお酒のこと。栗やなすは、秋の味覚です。なすは、焼いたり煮浸しにしたりして、秋の味覚を楽しむのがおすすめです。

菊酒……食用菊の花びらを浮かべた薬霊酒。菊には食欲増進や疲労回復の効能がある。

西陣爪搔本つづれ織 石川つゞれ株式会社

栗ごはん……旧暦の9月9日は,今の暦では10月にあたり、農民をはじめ庶民のあいだでは秋の収穫を祝い食べた。

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