西陣爪掻本つづれ織工房 貴重な作業現場をご紹介④

今回ご紹介するのはつづれ織の表現方法の
一つ“ぼかし”についてお話します。
上図には「ぼかし」が
ふんだんに使われています織物ですが、
色の滲み具合や柄の柔らかさなど染物の様な
雰囲気を感じますよね。
それを表現するのに「ぼかし」
は無くてはならない、
技法のひとつになります。

しかし「ぼかし」には大変な
手間もかかるんです・・・
職人さんそれぞれが図案・配色を見ながら
糸づくりを行うのです。
当然配色には指示があり
どこにどの色を使うかは決まっています。
しかし「ぼかし」に関しては
糸づくりを行いますので、
職人それぞれに色の合わせ方や撚りの
強さが違うため
微妙な違いが出てきます。
それが一つ一つの“味”と
なってくるのかもしれません。

またこの糸づくりの違いは各織屋さんに
よっても大きく変り、同じ柄を織っても
それぞれの織屋の表現となって
「ぼかし」に現れたりもします。
それだけ「ぼかし」というのは緻密な技法で、
ただ暈けているのではなく
その柄をいかに表現し、効果的に柄の奥行や
雰囲気を繊細に出せるかが見せ所になります。
上図は基本的な「ぼかし」を表現する際に
使用する「杢糸」の作り方です。
2本を1本にするのではなく、1本の糸を割り0.5本
を掛け合わせ1本の糸にしたのが「杢糸」です。

こんな豆知識があると今までと見方が
変わるかもしれません。
どこかでつづれ織を見かけた際は、
ぜひ注目してみてください!!

参考動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=B3JdxI9e0yg&t=16s

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